幡多の黒潮町にはユニークな美術館がある。その名も砂浜美術館。ただし美術館といっても建物は一切存在せず、名前の通り約4キロメートルの砂浜そのものが美術館なのだ。それでは作品はいったいどこに・・・? 作品は“ありのままの風景”すべて。沖に住むニタリクジラや潮風を受ける松原、海から流れ着く漂流物など、自然をとりまく事象そのものが作品であり、月の光、波の音、潮の香りまでもがアートとして存在している。
今回は、そんな砂浜美術館で7月7日に開催される企画展、「星降る砂浜美術館★砂と光のアート展」を紹介したい。砂浜美術館の企画展といえば、約1000枚ものTシャツが砂浜にはためく「Tシャツアート展」が全国的にも有名であるが、今回の企画展は初めてのもの。
内容はこうだ。砂浜を大きなキャンバスにみたて、7月7日の七夕にちなんで天の川と織姫・彦星を砂像でつくる。アーティストは参加者のみなさん。それぞれが思い思いの星をつくり、みんなで大きな大きな天の川にしていく。砂と水で形をつくる楽しさ、砂にふれる気持ちよさを思う存分に味わえるアートイベントだ。
織姫と彦星は、砂像歴20年以上のベテラン、全国大会優勝経験もある武政登さん率いる黒潮町の砂像チームが手がける。通常、彫る過程はなかなか見ることができないが、作り手として参加すればプロの技を間近でみることも可能とのこと。
夜になると作品は一変。みんなで一緒に作り上げた砂の天の川に、光の切り絵作家・酒井敦美さんによる野外幻灯でそこは夢の世界に。天の川に現れる切り絵の大きなクジラは、砂浜美術館の館長だそうだ。そして酒井さんの大好きなモチーフでもある。全体を眺めるのはもちろん、クジラにのったり星をすくったり…ぜひ絵の中に入って、一夜限りの夢の時間を体感してほしい。
さらに、隣接する宮川公園では、七夕★マーケットも開催。地元の美味しいものや手作りのすてきなものが集合する。七夕飾りや切り絵のワークショップや紙芝居・フラ・太鼓のステージなどイベントも盛りだくさん。浴衣で行くとマーケットで使える「はたマネー100円分」のプレゼントも(先着100名)。
翌日には跡形もなく消えてしまう、一日限りのアートイベント。ぜひこの機会に、砂浜美術館を訪れてみてはいかがだろうか。
-砂像づくり参加者大募集!-
参加者には、光の切り絵作家・酒井敦美さんデザインのオリジナルてぬぐいをプレゼント(先着300名)!詳しくはHPから。
「星降る砂浜美術館★砂と光のアート展」
【日時】2013年7月7日(日)9:00~21:00 入場無料 雨天決行
【場所】黒潮町・入野の浜、宮川公園
【HP】http://www.sunabi.com/event/suna-to-hikari-art/
【お問い合わせ】NPO砂浜美術館/[TEL]0880-43-4915、[HP]http://www.sunabi.com/