「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損」
県内出身者なら耳にタコができるほど聞き慣れたであろうこの不思議なフレーズは、徳島県が誇る文化「阿波おどり」のかけ声の一部分です。踊るも踊らないも”阿呆”というなんとも雑なくくりですが、語弊を恐れずにいうとそういうわけで徳島県というのは日本でいちばん”阿呆”が集まる県なのではないかなと思う徳島県外出身者、あやです。
さて、阿波おどりといえば、秋田県の西馬音内の盆踊り、岐阜県の郡上おどりと並ぶ日本三大盆おどりのひとつ。徳島県(阿波の国)を発祥とする400年前からつづく歴史あるお祭りです。毎年お盆の時期に開催される徳島市阿波おどりには日本全国から130万人もの人が集まり、街を賑わせています。
四国の文化・阿波おどりを世界に伝える
この徳島が!四国が!!日本が!!!誇る阿波おどりの文化を世界に伝えるために、四国を愛するひとたちのネットワーク「Home Island Project(以下HIP)」のメンバーが毎年ニューヨークへと旅立っているのをご存知ですか?
ことのはじまりは4年前。「阿波おどりを現地のひとに披露したい!」という目的のもと、2007年よりセントラルパークで開催されているイベント「Japan Day @ Central Park」へブースを出店すべく11人の四国人たちが米国を目指しました(当時の報告書はこちら)。
5万人を超える来場者からの温かい喝采を受けたHIP一団は、その後も毎年Japan Dayに合わせて四国をPRすべくNYプロジェクトとして活動を続けています。その4回目の活動が今年の5月にあり、「ニューヨークで阿波おどりをしないかい?」とお誘いを受けたわたしは「行く行く!」とふたつ返事で参加を決意し、今年のメンバー35人とともに日本を飛び出したのでした。
プロジェクトの運営
…と書くと、順風満帆!のように見えますが、35人もの団体が一斉にニューヨークへ行くのは簡単なことではありません。ニューヨークまでの渡航・宿泊手配、現地でのイベントやワークショップの調整、物産の調達、そしてなにより阿波おどりの練習!渡航を決意したのはイベントまで2ヶ月を切った3月下旬。ここから学生を中心としたグループが役割を分担し、不慣れな状況に四苦八苦しながらもひとつひとつ課題をクリアしていきます。阿波おどりに至っては、授業や学校の合間を縫って平日は毎日練習し、踊るのは小学生以来!という生粋徳島メンバーも(そうなんですよ、みんながみんな踊れるわけではないんですよ)渡航直前には胸を張って踊れるように。役割を与えることで、最初はあそび心半分だったメンバーに連帯感や責任感が生まれ”プロジェクトメンバー”というひとつのチームとして機能していったのです。
とはいえ、なかなか練習に参加できないメンバーや社会人がいたのも事実。その場合は、現地での語学サポートや、記録係としての写真やビデオ撮影など、それぞれの得意分野で活躍することでチームとしての不足を補うことに。また、今回の参加メンバーの所在地は地元徳島をはじめ、茨城、東京、神奈川、香川、愛媛と多岐に渡ります。情報のやり取りはFacebookグループ、週に一度のSkypeミーティング、LINEなどをフル活用しました。こうして迎えた出発当日、各地からやって来たメンバーは成田空港に集結して一路自由の国を目指したのでした。
現地での様子は次回のレポートにてお伝えします!
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