古くて新しい「えんがわオフィス」
今回は、わたくし谷脇が毎日働いてる職場を紹介します。
全国から毎日のように視察の方が来るので(昨年9月には小泉進次郎さんも来た)、この機会に「中の人」自身が案内してみますね。
徳島県名西郡神山町にある「えんがわオフィス」が私の職場で、かなり変わったオフィスなんです。
まずは駐車場付近の風景から。
こんな感じに、神山町は徳島市内から車で40分ほどの普通の田舎のヤマの町です。
えんがわオフィスは、ここから少し下ったところにあります。
こんな田舎に、東京などからIT会社などがどんどん進出しており、最近かなりの話題となっています。
私たち社員が「無農薬えんがわ米」を育てる田んぼはこの右手辺り。今年もやりますよ。
えんがわオフィス全景。
築90年の古民家を改修したもので、全面ガラス張り、大きな縁側が付いてます。
えんがわオフィスは東京恵比寿に本社のある株式会社プラットイーズのサテライトオフィスで、2013年7月1日に業務スタートしました。
プラットイーズは東京恵比寿と徳島神山の対照的な二拠点ワークを実践している会社で、神山町にサテライトオフィスを作った会社としては10社目とのことです。
朝一番、みんなで掃除します。
ここで働いているのは約20名。
基本的に地元雇用で全員徳島県民、その半分の10名ほどが神山町民です。
「えんがわオフィス」は新しい働き方の象徴?
仕事風景。全面ガラス張りなので外から丸見えですね。
プラットイーズはテレビ放送に関する業務をあれこれやっている会社なので、仕事場にはテレビがいっぱい。
東京恵比寿の本社と同じ業務をここでやっています。
本社と内線も繋がっているので、恵比寿のフロア違いが神山という感じで作業できます。
PCで行う作業なら東京でできることは田舎でもできますね。アスクルもキチンと明日来ますしね(笑)。
真ん中に見える黒くて分厚い壁が耐震壁。築90年でも地震対策はバッチリです。
右奥はダイニングテーブル。ここでミーティング(本社とのテレビ会議も)や食事をします。
えんがわオフィスは正式には「神山バックアップセンター」という名称で、東京で災害や停電などもしものことがあったときに、恵比寿の本社で行っている事をそのまま神山で代わって行えるようにするための施設です。
まだまだ生まれたばかりで、現時点でそこまでの役割をこなせていませんが、鋭意成長中です。
薪ストーブは温かくていいですね。
でもここで火に当たっていると、道路からでも丸見えです(笑)。
電気のエアコンや床暖房もあります。木の床が温かいのは本当に気持ちいいですね。
忍者屋敷? 壁にはトイレやシャワールームが隠されていますよ。
週に1度は「まかないの日」で、神山のおかあさんがお昼ごはんを作ってくれます。
キッチンは作業スペースのすぐ横で仕切りもありません。
この日はミーティングの隣でおかあさんがちらし寿司を作ってくれていました。
包丁の音を聞きながら、いいにおいを嗅ぎながら、仕事をバリバリ進めます(笑)。
恒例のみんなでおひる。
あれこれ話をしながらの食事は楽しくておいしいですね。
食べ物の好き嫌いでおかあさんに怒られる事もよくあります(笑)。
こんな感じでここは仕事場でもあり生活空間でもあり、ONとOFFがシームレスに繋がっている場ですね。
2階への階段、しっかりしていますよ。(しっかり具合に視察の方がいつも驚く)
2階は広い畳の部屋。畳のにおいが気持ちいいですよ。
ここは普段は大人数の会議にも使いますが、恵比寿本社から社員が来たら寝泊まりします。
押し入れには布団がいっぱい。
東京から来た社員にとっては、仕事環境(生活環境)が一変して何かと刺激があるそうですよ(そりゃそうだ)。
広い縁側は町民に解放してるので、誰でも座って休んでもらって構いませんよ。
社員の「田舎での合宿=サテライトワーク」はクリエイティブな業務、例えば企画・デザイン部門などに特にいい効果があるそうです。
都会での業務に疲れている方、どうぞ田舎で仕事してみてください。(神山に限らずどちらでも)
「くらオフィス」もあります
左が納屋、右が蔵。間に電気自動車。
蔵は普通に作業するオフィスなので「くらオフィス」と呼ばれています。
電気自動車はいざという時に電源になってもらうので「非常用電源車」なんです。
納屋の正体は、実はサーバールーム!
蔵ではおもに映像アーカイブ業務をやっています。
テレビ局から預かった番組テープをデータ化したり、地域を4K映像で撮影したものを編集したり。
1階・2階とも床暖房もありますよ。
螺旋階段を上がって蔵の2階へ。
向こう側がガラス張りで景色が良くて気持ちいい!
がしかし、残念ながら方角が西。。。
西日がきつくて大変なんです(笑)。
蔵の西側は一面のガラス。
実は隣の小屋の火事をもらって壁が傷んでいたのを、改修してこうなったのでした。
映像の正倉院「アーカイブ棟」
こちらは新築で出来たばかりの「アーカイブ棟」。遅れて来たニューフェースです。
蔵だけでやっていたアーカイブ業務をガッツリやるために建てられて、この春から本格稼働しています。
アーカイブした映像を後世に残して行くための象徴的な建物ですね。
2階は倉庫的な3つのブロック、1階は業務スペースの2つのブロックに完全に分断されてて、一度外に出ないと隣のブロックに移動できません。
正倉院みたいと言われることもありますね。確かに、造り的にも意味的にも。
作業スペースでは、アーカイブ業務を行っています。
いろいろな再生デッキがあって、キャプチャ作業でデータ化しています。
こちらも床暖房が入ってますよ。
1階の試写室には120インチスクリーンと4Kプロジェクタが設置されてて、大画面で4K映像が楽しめますよ。
この時は、地元の小学生が自分たちの「2分の1成人式」の4K映像を見に来てくれていました。
屋根は穴だらけ(笑)。
1階と2階の間にも大きな隙間があって、風が吹き抜けて行きます。
最新の空調の仕組みとのことです。
ご近所紹介
えんがわオフィスのすぐ隣には、劇場「寄井座」があります。
実はここは神山アートの象徴的な場所なんですよ。天井広告が素晴らしい!
えんがわオフィスができる前は、この寄井座との間にブロック塀があったらしいのですが、それを取り除いて一体感のある空間になっています。これは本当によかったですね。
徒歩5分!奇跡のコンビニ!ちょうどいい散歩コースです。
神山ではお遍路さんにもよく会いますね。
少し歩くと美しい鮎喰川(あくいがわ)。
夏になると、ある社員はよくここで足を浸けてますね。(河童と呼ばれる私の事です笑)
オープン&シームレスな場
夜のえんがわオフィス。更に丸見えです(笑)。
夏、この広場は地元の阿波踊り連「桜花連」が踊り込んで来てくれる「えんがわ演舞場」にもなるのです。
地元神山の小学生が何度か見学に来てくれましたよ。
こんな感じで、えんがわオフィスの敷地全体(建物内も)が半公共的な場所になっていて、縁側にはご近所さんが野菜をお裾分けで置いてくれたり、広場では近所の子供たちが走り回っていたりと、何かと楽しいことがいっぱいあります。
プラットイーズでは、今後テレワーク(場所に制限されない働き方)などの「新しい働き方」にも更にチャレンジ(つくる)していくとのこと、また、映像のアーカイブ業務で「未来に残すもの」(のこす)にも関わっていきます。
えんがわオフィスは、この「つくる」「のこす」の両面を体現しているイメージそのものだなぁと思ってます。
あなたも一緒におもしろい未来づくりをしていきませんか? やったらええんちゃうん?
えんがわオフィスから情報発信しています。こちらもぜひご覧下さい。
本日(2015/04/01)スタート! → えんがわオフィスブログ つくる・のこす・ミライ
えんがわオフィス生みの親、プラットイーズ会長の隅田(神山町に移住済み)の記事もどうぞ。
みどるな事業継続の試み 価値の遺し方、会社の渡し方
えんがわオフィス(株式会社プラットイーズ 神山センター)