白髪山から三嶺へ
白髪山で水を確保した一行は、小雨降る中、三嶺へ向かいます。
ここからはダラダラと、地味な上り下りを繰り返します。
カヤハゲを下り・・・
西熊山を上り・・・
すっきりしない天候で展望も悪い中、淡々と歩いていたそのとき、メンバーの一人が声をあげました。
その目線の先を見ると・・・
虹です。それも巨大な二重虹。
三十路ハイカーの御一行、背負ったザックを放り投げ、撮影撮影。
そりゃあ、記念写真も撮るってものです。
思わぬ幸運に、疲れも一瞬吹っ飛ばし、いよいよ三嶺を上ります。
当たり前ですが、これからはもう、上るのみ。
緩い上り、急な上り、少しずつ、少しずつ、イヤになってきます。が、上るしかないのです。
岩場を、鎖場を、時には疲れたー!と叫びながら上る。
と、到着!
もう、上らなくていいんだね・・・!
山頂では男達が”オレたちのザック”を並べお決まりの記念撮影をサクッと済ませ、三嶺小屋へ向かいます。
この池が見えたら、もう安心。テン場に到着です。
5組の寝床を確保するため、広さのある稜線に幕を張りました。
くっついて、でも各々好きなように食事をとります。
食事を終えるとすでに寒さが厳しく、夜は極寒が予想された為、私は一人、寝袋を抱えて小屋へ移動。
小屋の中には10人近くの方が、食事をとり、酒を飲み、眠っていました。
暖かい小屋の窓から、仲間のいる所を眺めます。
ツェルトやタープのとんがったシルエットが、何とも美しい。
そんなことを思っていると、若い女性から「皆さんはビバーク(野営)の訓練ですか?」と尋ねられました。
U.L独特の簡素なシェルターが、訓練に見えたようです。
私は、「いえ、えへへ・・・」と答え、その夜はそっと、ぬくぬく眠りにつきました。
三嶺より名頃へ
5月5日
眠っているところへ、急いだ様子の夫がやって来ました。
「陽が上るよ!!ギリギリだあ!」
その言葉にパッと目が覚め、ダウンを着て寝ぼけ眼で小屋を飛び出し
間に合いました。美しいご来光。今日は天気が良さそうです。
名物(?)の三嶺小屋さんも、朝日を浴びています。
さあ、今日は下るだけだ!寝床を撤収して出発だ!
笹を通過し、ゴロゴロ岩場を通過すると、樹林帯に入ります。
ダケモミの森をぐんぐん下るごとに、緑が濃く色彩豊かになってきます。
こうなるともう、楽しいしかありません。
途中で寝転んで休憩したり
骨を拾ったり
のんびりお菓子を食べおしゃべりしながら、下ります。
5月の若葉がきらきらと眩しくて、仲間が3割増くらい爽やかに見えてきます。
最後は林道を歩いて名頃登山口へ下山。
お腹がぺこぺこだったので、一番近くにあると思われる、いやしの温泉郷へ。
3日分の汚れを流し、露天風呂で歩いた山並みを眺め、祖谷蕎麦を食べて帰りました。