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絵で旅する四国-11
リセットできる場所@豊島

《高知》高知龍馬空港 掩体壕ー巨大なる戦争遺産

2014.10.3 

湯治場の風情と、優雅な露天風呂と。そうだ山温泉がアツい。

その歴史は少なくとも1200年の昔にまでさかのぼる。
古くから湧き出ていた鉱泉を弘法大師が「くすり水」として効能を伝えたのがそのはじまりで、以来地域の人々の生活を支える湯治場として、水場として利用されてきた。

読み方は「桑田山温泉」と書いてそうだやまと呼ぶ。雪割り桜などでも有名な地域で、高知を代表する港町のひとつ、須崎市の市街地から車で数分の山あいにある。

さて、ここ桑田山温泉のポイントはもちろん空海お墨付きの泉質や源泉掛け流しの優れた湯ざわりだが、2013年のに新しい内風呂と露天風呂が整備され、それまでのディープな湯治場としての魅力に加え、これは泊まりたい!と思わせる山の温泉宿としての魅力が備わった。

ジモ湯としての「桑田山温泉」

本格的に建物が設えられたのは昭和52年頃のこと。現在も受付を行っている「本館」がそれだ。昭和感バリバリのオレンジ色の怪しげな扉を開ければ、筆書きの温泉分析書やさまざまな注意書き、指名手配のポスターに時刻表などが貼られた受付があり、もうひとつの扉を開ければ脱衣所に至る。
脱衣所には小さな洗面台に扇風機が一台。いくつか鍵がかけれなくなっている、古びたコインロッカーもまた愛するべき「味」になっている。

桑田山温泉

硫黄臭が立ちこめる浴室には、3−4人入ればそれなりに一杯感のあるコンパクトな浴槽がひとつ。さまざまな湯を楽しみたいという人には魅力不足かも知れないが、その強い硫黄臭を感じながら浸かっていると、別府明礬のジモ湯にでも浸かっているのではないかと錯覚しそうだ。
桑田山温泉

新しい入浴施設ができてからは、この本館は主に古くからのお客さんのためのものとしてそのまま残しているとのことで、こちらの入浴時間は15時からになっている。

新たな名湯としての「そうだ山温泉」

新しい入浴施設は、本館の横道を上がっていったところにある。
濃い山の緑に包まれたかのような内風呂、小川を橋で渡ったところにあるヒノキの露天風呂、桶風呂があり、それはもう本館とは180度異なるホスピタリティあふれる雰囲気。

桑田山温泉

橋を渡って風呂に入るというのも高知では珍しく、季節や天候で全く違う情緒を楽しめそうだ。
こちらも源泉掛け流しで、しかも風呂を出てもしばらく温もりが取れない。それゆえに個人的には夏より冬にこそ行きたい温泉なのだが、ご主人に聞けばこのお湯のヒミツは地元の森林組合で生じた端材や温泉の周囲に広がる山林整備で生じた材、ペレットなどを燃やして沸かしているからとのこと。
つまり、薪風呂だ。

桑田山温泉

ご主人曰く、人件費と燃料費を合算した総コストでは重油も薪もそれほど変わらないそうだ。しかし、重油は人件費はかからないが不安定な燃料費に左右されやすく、薪やペレットは燃料費としては安くなるがその分地元雇用を生み出すことができる。
そして、薪ならば桑田山温泉を包むように聳える周囲の山々の環境整備につながる良さがある。
ご主人の思いは、単にこの温泉施設の運営ということだけでなく、1000年にわたって地域と共に生き続けてきたこの温泉の未来にまで至っているのだ。

桑田山温泉

千年の美湯 そうだ山温泉

高知県須崎市桑田山乙1122
TEL:0889-45-0055
http://sondayama.com/

高知県須崎市桑田山乙1122

宿泊
宿泊は本館と新たに設けられた「離れ」で可能だ。
本館はシンプルな和室が10室。「離れ」はまだ1棟だけで、一日一組を受け入れている。
離れには、もちろん部屋付きの半露天風呂も。
持ち帰り
いまもむかしも地元の人々たちに使われ続けきた源泉は持ち帰りも可能。本館入口に蛇口が設けられ、有料で源泉を持ち帰ることができる。一升100円、一斗500円、一本4000円。ちなみに「一本」とは、ドラムのことだ。


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