源平合戦で有名な屋島に、四国各地から古民家や伝統産業施設などを移築復元した野外博物館「四国村」。
知っているけどまだ行ったことがない。何年も前に行ったきり…とうい方も多いのではないでしょうか?
瀬戸内国際芸術祭などもあり、最近改めて注目されている四国村を、学芸員の西谷さんに案内していただきました。
この日のために西谷さんが用意してくれたのは、手書きの案内図。
裏面の力強いイラストは、西谷さんが愛してやまない和田邦坊画伯が描いたもので、
今でも土産物売り場の包装紙として利用されているそうです。
かずら橋が村へのタイムトンネル
四国村に入村すると、最初に現れるのが「かずら橋」。
徳島にある祖谷(いや)のかずら橋の2/3のサイズですがスリルは満点!
この橋が四国村へのタイムトンネルです。
しばらく進むと見えてくるのは、小豆島から移築した「農村歌舞伎舞台」。
墨書の内容から、江戸時代末期の建造と推定されるそうです。
這いつくばって床下を覗くと、奈落には回し舞台が残されています。
こちらは、三角の茅葺き屋根がかわいい「砂糖しめ小屋」。
江戸時代に讃岐の特産品だった、砂糖を作るための小屋です。
小屋の中心にはしめ車があり、サトウキビの汁を絞るため牛が1日中腕木を引いて回したのだとか。
建物が円形なのは牛が回るためなのです。
村を歩いていると所々で見かけるのが、俳句・短歌ポスト。
入賞すれば四国村の年間パスポートなどが当たるそう。
西谷さんによると、俳句は激戦なので短歌がオススメだとか。
四国村には、猪から畑を守るための猪垣(ししがき)が3種類あります。
これは徳島県美馬郡の山中にあったもので、猪や鹿が壁沿いを伝って歩く性質を利用し、
壁の切れ目に落とし穴を掘って、捕まえた猪は食べていたとか。
屋島にも野生の猪がいるので、そのうちぼたん鍋を食べられるかもしれません。
古民家や伝統産業施設だけじゃない!
あまり知られてはいませんが、四国村には安藤忠雄氏が設計したギャラリーがあります。
美術館にはピカソやルノワール、マティスらの作品も。
個人的にはイランで出土した鹿の土器がお気に入りです。商品化してほしい!
楽しい四国村ですが、あまりに広すぎて全てはお伝えできません。後は写真でどうぞ。
最後はやっぱりうどん!
四国村の敷地内にある「わら家」で、仲良く家族うどんを注文しました。
いりこ出汁は瓶ごと持って帰りたくなるおいしさです。
「わら家」以外にも、神戸の異人館を移築した喫茶店があり、
室内の家具調度品は、全てイギリスから取り寄せたものだとか。
そんな空間で優雅にティータイムはいかがでしょうか?
四国村
〒761-0112 香川県高松市屋島中町91
年中無休
開村 8時30分
閉村 18時00分(4月∼10月)、17時30分(11月∼3月)
※入村は閉村の1時間前まで
詳しくは四国村ホームページへ