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2014.6.2 

祖谷の暮らし④ 落合集落の茅葺き民家で、快適に “祖谷の暮らし” を過ごす。

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二棟並びの「雲外」と「蒼天」(写真左)、 谷間にひっそりと佇む「悠居」(写真右)

二棟並びの「雲外」と「蒼天」(写真左)、谷間にひっそりと佇む「悠居」(写真右)

3つの新棟がオープン、桃源郷祖谷の山里の茅葺き民家宿

2014年5月、祖谷の「落合集落」に3棟の新たな “茅葺き屋根” の宿がオープンしました。今回オープンしたのは、「雲外(うんがい)」、「蒼天(そうてん)」、「悠居(ゆうきょ)」の3棟。これにより、2012年4月から始まった「桃源郷祖谷の山里」(空家となっていた落合集落内の民家を茅葺き屋根の宿として改修、運営していくプロジェクト)の茅葺き民家宿は、これまでの3棟から6棟へと一気に倍増。集落内に点在する各宿は、建物の大きさだけでなく、間取りやインテリアにそれぞれ特徴があり、宿泊人数やお好みの過ごし方によって選択の幅が一気に広がりました。

「桃源郷祖谷の山里」プロジェクトにプロデューサーとして参画しているのが、全国各地で古民家再生を手がけてきた東洋文化研究者のアレックス・カーです。代々大事に住み継がれてきたものの、空家となって落合集落に残っていた古民家。こうした古い家の可用性を訴え続ける彼の手によって、これらの家々にも快適な滞在が可能となる最新設備が導入され、かつての趣きも感じられる “現代の茅葺き民家” として再生されています。今後は、祖谷の暮らしを快適に過ごせる宿として、”一時の家主” を迎え続けていきます。

全6棟、お好みの過ごし方で “選べる” 落合集落の茅葺き民家宿

ここで、今回の新棟3棟を含め、全6棟それぞれを簡単にご紹介します。
すべて茅葺き屋根の家ですが、きっとそれぞれに思い描く “祖谷の暮らし” にぴったりな1棟が見つかるはずです!

浮生 ふしょう
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2012年4月オープンの桃源郷祖谷の山里茅葺き民家ステイ第一号物件にして、集落の最高点にある茅葺き民家。(標高約820m)。標高差390mにも及び、崖地に広がる落合集落のてっぺんにあって、視界はほぼ180度で宿からの眺望は別格です。
車道が宿まで繋がっていないため、集落のてっぺんに暮らす一般の方のお宅の前を通り抜けてアクセスするという、昔ながらの立地も意外に好評です。定員5名。

晴耕 せいこう
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2012年6月に雨読とともにオープンした第二号物件。「中寝間三間取り」という祖谷の伝統的な間取りをそのまま活かした囲炉裏もある広い室内で、普段着のまま過ごすことができます。
高度としては集落のほぼまんなかに位置し、宿からは急斜面の畑で農作業をする人やお散歩をする集落の皆さんの姿もちらほら。そんな落合集落の穏やかな風景や暮らしぶりを感じることができます。定員5名。

雨読 うどく
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2012年6月に晴耕とともにオープンした第二号物件。お風呂は宿泊棟ではなく離れにあり、家族みんなでも入れるほどの、大きなお風呂。キッチンは、他の宿にはないアイランド型のキッチンで、持ち込んだ食材でゆったりお料理も楽しめます。
至ってコンパクトな造りですが、ソファでゆったりと山里のカフェ気分を満喫することも可能。定員5名(推奨3名)。

雲外 うんがい
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主屋と隠居屋の2棟が繋がった広々とした造りで、隠居屋部分を広いお風呂とシャワールームへと大胆にリノベーションしています。小高い崖の上に建っているため、全面に遮るものもなく、広い縁側や庭からは遠くの山並みが見渡せます。
歩いてすぐの東隣は集落のお宮さん(三所神社)で、集落内の散策を楽しむには絶好のロケーション。定員5名。

蒼天 そうてん
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雲外のすぐ隣にあり、もともと納屋だった建物ですが、全面にせり出した寝室は、他の棟にはない畳敷きの和室となっています。一方、宿前はウッドデッキとなっており、朝の空気を感じながらのモーニングコーヒーは格別でしょう。
雲外と同じく歩いてすぐの東隣は集落のお宮さん(三所神社)で、集落内の散策を楽しむには絶好のロケーション。定員5名(推奨4名)。

悠居 ゆうきょ
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まさに真の隠れ宿と言えるような、落合集落内の深い谷間にひっそりと佇む一軒宿。しかも、規模は全宿中最大(定員10名)で、大きな主屋と隠居屋それぞれにお風呂が付いているほど一際贅沢な造りです。周囲は荘厳な森に包まれ、平家の隠れ里でもある祖谷ならではの秘境感を味わえます。
隠居屋には、他の宿にはないベッド(ダブルサイズ1、シングルサイズ1)をしつらえていて、ゆったりとお休みできるのも特徴です。定員10名(推奨8名)。

景観だけでなく、暮らしの芳香そのものが残る落合集落

桃源郷祖谷の山里の舞台「落合集落」は、現在全国106の地域が指定されている「重要伝統的建造物群保存地区」(以下、重伝建地区)のうちの1つです。重伝建地区とは、特定の建物などを指定する重要文化財などと違い、特に歴史的希少性のある景観を残す “地区全体” を保護する目的で指定されるもの。保護の対象となるのは建物だけでなく、石垣や耕作地、水路などを含めた目に見える景観すべてになります。

でも、景観が保護されていれば、そこに住む人々のかつての暮らしも保護されているとは限りません。例えば、世界遺産にも指定され、同じく茅葺き屋根の家がある岐阜県の「白川郷」や富山県の「五箇山」。これらも重伝建地区ですが、一躍有名になったことで、ともすれば “型通りの観光地” となった感は否めません。そして、その変化とともに、そこに住み続けてきた人々の暮らしぶり、そこを流れる空気も変わってしまったように感じられます。

そんな中、高速道路も電車も通らず、日本有数の秘境とされる祖谷の落合集落は、そこに息づく古くからの「暮らし」や、その空気感そのものも残す重伝建地区と言えるのではないでしょうか。地区内におみやげ物屋はおろか、観光客向けのお店は一切ないことがそれを物語っています。四国の、そして徳島県ならではと言えるかもしれませんが、”控えめで飾らない暮らしぶり” が残されている気がするのです。そして、こうした集落の穏やかな空気を感じつつ、それぞれのスタイルで過ごせることこそ、落合集落での茅葺き民家ステイのいちばんの魅力となっていると思います。

農作業など、宿泊の際には季節ごとに様々な集落の暮らしぶりに出会えます。写真は皆で集まり、昔ながらの方法で小豆の脱穀をしているところ。

農作業など、季節ごとに様々な集落の暮らしぶりに出会えます。写真は皆で集まり、昔ながらの方法で小豆の脱穀をしているところ。

茅葺き民家宿へのご宿泊に関するお問い合わせは以下より。

桃源郷祖谷の山里

http://www.tougenkyo-iya.jp

茅葺き民家ステイ受付事務所
TEL : 0883-88-2540
受付時間:9:00〜18:00(年中無休)
徳島県三好市東祖谷落合142(旧落合保育所)

茅葺き民家の新棟改修を追った “茅葺き職人” のドキュメント

今回新たにオープンとなった「雲外」と「蒼天」、2棟の改修を手がけた茅葺き職人”日浦昇” さんを追ったドキュメント映像があります。地元三好市のケーブルテレビ局の人気番組「みよしごと」より。
雪の降り積もる冬の祖谷の美しい風景の中、茅葺屋根の家ができるまでの貴重な映像が見られます。ぜひご覧ください。

三好市で仕事を頑張っている人 茅葺職人 年寄りに愛される親方 日浦 昇 みよしごとfile024 ICN from miyoshigoto on Vimeo.

制作:池田ケーブルネットワーク
番組「みよしごと」の公式ページはこちら http://ikedacable.co.jp/webcomi/vol24/

徳島県三好市東祖谷落合142

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