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絵で旅する四国-8
港そばのちょっとした楽しみ@直島

間もなく満開、高知城。

2014.3.3 

《徳島》嗚呼哀愁の秘境駅、雪の坪尻駅行

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ura960

四国は、なんというか、たいした観光地がない。
だが、なんというか、某かの魅力はある。
ぴかぴかと光っていなくても、ぼんやりと光っている。
この「四国裏観光ガイド」とは、
四国のマニアックな魅力をガイドするコーナーである。

四国裏観光ガイドとは

四国随一の”秘境駅”として、ある種の人たちにはよく知られる坪尻駅。駅があるのは、車が行き交う道路からは遥か下の谷底である。駅へと向かう手段は汽車※に乗って行く以外、急崖に続く獣道を20〜30分程(体力と足腰の強さによる)のそのそ歩いて下るしかない。

その間、人家はない。人家が駅周辺にないどころか、今では利用する人は皆無と言われており(自称駅長さんの証言あり)、もはや坪尻駅は鉄道に乗るための駅ではなく遺産化された「駅だった場所」なのだ。

※坪尻駅のある徳島県は、全国で唯一電化された鉄道のない県として知られる。要するに電車が走っていない県ということで、みんな鉄道のことは「汽車」と言う。

 

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坪尻駅への道、この手作り感あふれる案内看板は、後出の自称駅長山下さん制作

雪の降り積もったある日、なぜか私は坪尻駅に行ってみたくなって、谷底へと転がり下りるように行ってみた。夏に一度行ったことはあった。谷底の駅の、木々の緑でフタをされたような佇まいにすっかり魅入られたが、やっぱり真っ白い雪にフタをされた冬は違った。

とにかく、下りて行くのが大変だった。雪が深く積もった崖を下る途中、ちょっと来たことを後悔した。そして、汽車は誰も待っていないと分かりながら雪の降る駅に停車し、ほどなくして猪ノ鼻峠へ続く長いトンネル※へと消えていった。

※坪尻駅は香川県と徳島県の間にある猪ノ鼻峠の南、徳島県側にある最初の駅。猪ノ鼻峠は標高413メートルでそれほど高い峠ではないが、周辺の谷は深く険しい。

 

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坪尻駅への道はまさにアドベンチャー、行く手を阻むこんな竹の柵もあり

駅から一番近い集落、「木屋床」にお住まいの山下さん宅に伺ってみた。山下さんは61歳で、駅から一番近い場所におられる方として(坪尻駅はもちろん無人駅)、自称「坪尻駅長」を名乗っている。

「45年ぐらい前までは隣の箸蔵駅近くに小学校の分校もあって、幼稚園から高校までみんな駅を使ってた。駅員用の官舎もあって賑やかだったぞよ。駅のある谷は「鮎苦し谷」といって、鮎が遡上できないような、まあ深い谷やな。」

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駅最寄りの木屋床集落より坪尻駅方面を望む、向こう側との間の谷底に坪尻駅があるがまったく見えない

最後に、山下さんに教えてもらった木屋床集落からは対岸にある駅を一望できる場所へと向かった(もちろん大回りして車で)。遥か下には、さっき下った駅舎とスイッチバック式※のX字の線路が見える。昔はこんな雪の日でも、ここから駅に降りて街へ出るほうが早かったのかーと。

なにもかもが便利な時代に、山間地を走る鉄道も次々と役目を終えていく。
なにかもの悲しい雪の崖下りだった。

※スイッチバック式の駅は、四国には坪尻駅と新改駅の2駅あり、いずれも土讃線内。高松から高知まで南北を縦断する路線は深い谷が続き、鉄道の敷地を確保するのも困難な四国の中央部を象徴している。詳細はWikipediaにて。

 

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谷底の坪尻駅と木屋床集落(写真左上)

坪尻駅

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