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[秋葉の里からトントンチキチトンチキチ♪其の四]まつりの花形、鳥毛

嗚呼絶景四国哉-18.阿波の土柱

2014.2.16 

《高知》四国の最長老、大豊町杉の大杉。

ura960

四国は、なんというか、たいした観光地がない。
だが、なんというか、某かの魅力はある。
ぴかぴかと光っていなくても、ぼんやりと光っている。
この「四国裏観光ガイド」とは、
四国のマニアックな魅力をガイドするコーナーである。

四国裏観光ガイドとは

杉の大杉

今でこそ全国の巨樹を訪ねて撮影している僕ですが、そのきっかけとなった木は四国の中心部にあります。

それが大豊町の杉の大杉。8年ほど前、何気なく立ち寄った道の駅の看板、すぐ裏手にあるこの木を見に行った。本当に寄り道のつもりだったのですが、文字通り圧倒されました。とにかく大きかった。今まで僕が見たどんな樹よりも。

神社の境内を支配する、カメラの広角レンズに収まらないほどの巨木。同行していた屋久島帰りの友人は、屋久杉よりも全然大きい!と何度も声をあげ感動していた。確かに丸1日かけ歩いて見に行く、有名になり過ぎた縄文杉と違い、僕たちが全く期待してないのもよかったのでしょう。こんな人里の近くに、非現実が同時に存在する驚き。まったくといっていいほど現実感がなかった。夢中になって写真を撮りました。樹齢千年は優に越えるであろう時を、その一瞬に封じ込める為に、どれほどそこにいたか覚えてないくらいに。今でもそれが達成できたのかは分かりません。でもその時に撮った写真は、高松のギャラリーで開催した初個展のポスターにもなった。出会いはまさに運命でした。

あとで調べたら推定樹齢は3000年以上とのこと。有史以前のその時の長さに眩暈がした。やはり有名人の参拝記録も多いようで、幕末には山内容堂や坂本竜馬。戦前は地元出身のマレーの虎で有名な軍人山下奉文、そしてなんといっても美空ひばり。個人的には荒れ果てた大杉神社を再興させた宮司、釣井正亀氏のことは今後も調べていこうかなと思っています。

それから何度この場所を訪れたでしょう。写真は去年の12月のもの。雨上がりの快晴の年の瀬、寒さで周りの雑草はすっかりなくなっていた。冬の固い光が、巨木にコントラストの高いシルエットを落とす。杉の大杉は二本の巨木が根元で合体した夫婦杉。実は最近片方の樹勢が衰えているのか、幹をコンクリートのようなもので固められてしまっています。ちょっと心配。

この木との出会いから僕の写真自身も大きく変わったように感じています。今年の三月、目黒のギャラリーコスモスで香川に焦点を絞った写真家のグループ展にも参加します。そのくらいにはまた、大杉に会いにいこうかな。

33.755159, 133.662530

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