四国は、なんというか、たいした観光地がない。
だが、なんというか、某かの魅力はある。
ぴかぴかと光っていなくても、ぼんやりと光っている。
この「四国裏観光ガイド」とは、
四国のマニアックな魅力をガイドするコーナーである。
[四国裏観光ガイドとは]
四国の深い渓谷。土讃線祖谷口駅のほど近く、吉野川に注ぎ込む祖谷川沿い。
ひっそりとその近代建築は存在します。
谷間からの光が差し込み、静謐な空間を作り出していました。
この発電所が完成したのは大正元年のこと。香川県の四国水力電気株式会社の発電所として建てられました。四国有数の渓谷地帯であるこのあたりは豊富な水源にも恵まれ、水力発電の好適地として明治期から開発されてきました。その中でもこの旧三縄発電所は当時規模、発電量ともに四国最大のものでした。
役目を終えて50年余り、今は下流の新しい三縄発電所に現役を譲り、息を潜めるようにひっそりと渓谷に佇んでいます。しかし朽ちて尚その存在感は健在で、建物自体から激動の時代を支えた力が伝わってくるかのよう。
眼下には透き通るような祖谷川が。役目を終えた老発電所を癒すように清浄な水が流れていました。
33.964808,133.775965