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2013.10.7 

香川の郷土玩具 「奉公さん」

奉公さん

先日、高松に出掛けた時に香川の郷土玩具「奉公さん」と巡り会い、いそいそと買い求めた。
私が買った奉公さんは8cmくらいの小さなものだが、様々な大きさのものがあるらしい。
随分前に50cmはあろうかという奉公さんを見たことがある。展示品だったけれど、もはや赤ちゃんである。
我が家に置けば存在感が大き過ぎ、気になって仕方ないであろう。狭い我が家には小さな奉公さんで十分なのだ。

奉公さんには、小さな紙が添えられていた。
その昔お姫様に仕えるマキという童女がいて、重い病気にかかったお姫様の身代わりに
自分の体に病気を移し受け、海のかなたの島に行き、ひっそりと世を去った。
人々が“奉公さん”と言ってマキを褒め、偲んだことにちなんで「奉公さん」は作られるようになり、
子どもが病気になると奉公さんを抱かせ、海に流すと病気が治ったと言われているとのこと。

奉公さんは赤い着物を着ている。
昔から“赤”の色には病魔を払う呪術的な思想があり、赤で彩色された玩具は通称「赤もの」と呼ばれる。
その身に病気を引き受けてくれるという奉公さんが、赤い着物を着ているのも必然だったのであろうと思う。

奉公さんが生まれ持つ話はなんだか悲しみを含んでいるが、目の前でにっこりとほほ笑む姿はとても可愛らしい。
病気だけでなく、悲しみとか辛さとか日々の色んな気持ちをも引き受けてくれそうである。
このほほ笑みを、自分用にもてみやげとしてもお勧めしたい。張り子で軽いというのも、出先では魅力的だ。


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