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絵で旅する四国-3
栗林公園の松林

《徳島》青春の一番札所、霊山寺

2013.9.24 

《高知》土木遺産「大橋ダム」と巨大な地下発電所「本川発電所」

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ura960

四国は、なんというか、たいした観光地がない。
だが、なんというか、某かの魅力はある。
ぴかぴかと光っていなくても、ぼんやりと光っている。
この「四国裏観光ガイド」とは、
四国のマニアックな魅力をガイドするコーナーである。

四国裏観光ガイドとは

戦前に作られたダム。

ダムとは、罪な存在である。
ダムがあると川がダメになる。大雨の後、ダムのない支流は1-2日で清流を取り戻す一方で、ダムのある本流はいつまでも濁り続ける。魚や植物に影響がないということは当然ないし、そもそも見ていても美しくない。異常な風景だと、なんとなくDNAレベルで思う。

その一方、ダムが生み出す電力や農業用水、生活用水に頼らないと生きてはいけないというのもまたひとつの現実。私たちが享受する暮らしは、様々なシステムの上にギリギリ成り立っているというわけだ。
電力に関していえば、四国のダムは特に夏場のピーク時電力として使われるのが主で、原子力と火力で9割の電気を賄っているそうな。伊方がもはや扱いづらい存在となった今、ほんの数年前まで「大きな声」であった[ダムがダメ]とも言いづらくなった。2年前までは、水力発電の生み出す10%を「ほんの10%じゃん」と思っていたけど、その10%でも、この先のことを考えると不安だ。

さて、そんな四国の電源のひとつ、吉野川上流にある「大橋ダム」は四国最大の揚水発電所「本川発電所」を構成するダムのひとつだ。本川発電所はここ大橋ダムと瀬戸川水系の「稲村ダム(荒涼とした風景の中に突如あらわれるロックフィルダムで、結構かっこいい・・・)」との間で水を行き来させることで発電しているもので、四国じゅうのダムが生み出す半分近い発電量をつくりだすマンモス発電所だという。

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ダムは川の水面に直接ぶつかる。案外みかけない構造で、それがなんとも美しい。

それにしても、大橋ダムは美しい。太平洋戦争開戦直前の1939年の竣工で、高さは73.5m。軍靴の音しか聞こえなかったであろうこの時代、電源開発はこんな山奥にまで到達していたというわけである。ちなみに建設された当時は全国でも高い部類のダムであったそうで、現在でも四国随一の高さを誇るものだという。
堰堤は早明浦ダムの湖水沿いから続く県道を走っていると突然対岸に現れる。堰堤は支流の狭い谷口を塞ぐように立ち上がり、放流時の水圧に耐えることができるように県道側の足下はガチガチに固められている。まあ風景的にはいろいろと無粋といえば無粋なわけだが、作られてから70年以上の時を経た現在、一帯はまるでちょっとした遺跡のようだ。

このダムの特徴は、川の本流からそのまま堰堤が立ち上がっていることにある。多くのダムの場合は堰堤の直下になんだかゴチャゴチャとしたコンリートの水路や施設が建てられているものだが、この大橋ダムの場合は堰堤直下からすぐに川が再スタートを切る。このダムを見たときに感じる違和感は、「人為と自然の奇妙な調和」である。そして、「時の経過」と。

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ダムから下流側をみたら、普通なら人工的な風景になりがちだが、ここではいきなり自然である。

堰堤直上も車で通行することができる。訪れた日はやたらとスズメバチが多くて車にアタックを仕掛けてきたりするものであまりゆっくりとできなかったのだが、塔屋の間に丸いテラスがあったり欄干にランプが付けられていたり、コンクリートもノペっとさせずに凸凹が付けられていたりと、細かい造作が施されている。なんか、やっぱりこれは、ちょっとした古城だ。

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レトロなダムと、巨大な発電所の組み合わせ。
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本川発電所に続くトンネル。

ちなみに、四国最大の揚水発電所である「本川発電所」は、このダム湖の畔に設けられている。ダム湖畔から続く長い長いトンネルを走ると、まさに「山体の中」にぽっかりと空いた大空間があり、そこに2基の発電機が設けられている。レトロなダムと、近代的な発電所。その組み合わせがまた面白い。

※揚水発電とは、夜間余剰電力で夜間のうちに揚水をし、電気の使用量が増える昼間に再び水を落として発電をするという、他の電源と共用することではじめて意味を為すシステム。

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訪れた日は点検中で動いていなかったが、ここは土被りが何百mもある[山の中]である。発電機は、写真中央にある赤いキャップ部分の下にあり、このフロアからさらに下へ下へと「建物」は広がっていく。一体どうやって作ったのか、見当もつかない。

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いちいちパーツも巨大。どこがどう動くのか、これまた見当もつかない。稼働時はすさまじい磁力が発生するとかで、この空間に立ち入ることはできない。この日は点検中だったので全体を見ることができた。

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