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あやちゃんの体験記

浴衣を着てアートを楽しむ!夜の美術館に行ってきた

特別展|土佐和紙とプラチナプリント展

2013.9.6 

土佐の九龍城!沢田マンションのモーレツすぎる6年の暮らし

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6年暮らした、奇妙な毎日

四国を代表する《変な建築》といえば、なんといっても沢田マンション、通称沢マンである。
私もここで、2002年から2008年までの6年余りを過ごした(というか、この四国大陸メンバーでも竹村愛、高橋康太、眞鍋久美は元沢マン住人である)。
当時沢マンは加賀屋哲郎氏の「沢田マンション超一級資料」や古庄弘枝の「沢田マンション物語」の出版が相次ぎ、高知でもgraffitiが沢マン中興の祖ともいえる住人・N氏の沢マンコレクションを展示する「嗚呼沢田マンション-27号室の日常展」を開催するなど、それまでの「妖しすぎるマンション(一昔前は生活保護や高齢者ばかりであった)」から急速に「若いもんが多く集っている(それでも全戸数の1/3程度)」マンションへと変貌を遂げていた時代であった。

沢田マンション

いまから10年前は、N氏の暮らす27号室で毎晩のように飲み会が催され、沖縄やらドイツやら東京やらと各地から沢マン見たさに訪れた客人相手におきゃくを繰り返す、そんな日々を繰り返していた。その後は若い住民が増えたこともあって各部屋ごとの飲み会へと分散していったが、兎にも角にも、よく飲み、よく遊んだ6年間だった。

この頃、こうした飲み会に集っていた住人はかなり幅広く、大学生、JA職員、印刷業、デザイナー、記者、看護士、アパレル店員、雑貨店員、コンサル、建設事務、土木作業員、公務員、デパート店員、カフェ店主、ただの酔っ払い、歌手、旅人、、、などなど超多彩。少なくとも職業的には一切似たもん同士ではないから話も尽きず、年齢層も20代から60代までという感じだからやっぱり話はどこまでも広がっていった。お互いを呼ぶときは名前も使うが「部屋番号」であったりもして。

沢マン住人

2007年頃の沢マン若手住人揃い踏み写真。2009年頃までにこの写真に写るほぼ全員が退去した。現在、この部屋は「沢田マンションギャラリーROOM38」になっている

当然あらゆるできごとも多く、同棲に結婚、出産に死去からはじまって、住人同士の仲違い痴話喧嘩火災ストーカーからの逃避行を手伝う事件、水道管破裂三階なのに床下浸水、絶望的な天井全面雨漏り→部屋内に屋根設置事件等々、思い出したらキリがないほど。「高知遺産」で沢マンのことを書いた時は《立体長屋》と表現したが、長屋どころか小さな村の如く、濃密な人間関係がこの建物の中で繰り広げられていたわけだ。

沢マン住人の飲み会

沢マン住人の飲み会。それぞれ家で適当につくって適当に持ち寄って飲む。

沢マンの夜景。12月になるとこうしてイルミネーションが飾られる。

沢マンの夜景。12月になるとこうしてイルミネーションが飾られる。

地下駐車場への入口。私はホヤホヤの新車をここで2カ所同時にすり、以来入れなくなった。

地下駐車場への入口。入るのにかなりコツのいる駐車場。
新車に変えた途端に左との2カ所を同時にこすり、以来入れなくなった。

沢田マンション地下駐車場

地下駐車場。大雨になると水没する。

沢田マンション防災会

沢田マンション防災会の統一シャツ。写真には写っていないが、このほかに「ション防災会」と沢マンのロゴマークの総勢11名

高知市の防災イベントでは全員がキレイに並ぶと「沢・田・マ・ン・シ・ョ・ン・防・災・会」となるTシャツを作成して出場し当時の市長の苦笑を買い、ウエブに強いN氏の主宰していたsawaman.comというサイトでは各室にライブカメラを設置して住人の暮らしを赤裸々に公開。《月見の宴(2002年)》、《EXPO SAWAMAN(2006年)》《沢田マンション豊年祭》《SAWA SONIC》などのマンション全体を会場としたイベントもその時々の住人が勝手に企画開催し、数多の芸能人が来訪すれば沢マンツアーと称して1時間も2時間もマンション内のみどころを案内したり、岩佐真悠子が私の部屋で写真集の一コマを撮影したりと、なんだか今考えても奇妙な毎日を送っていたのである。

沢田マンション ライブカメラ

sawaman.comで流していたライブカメラ。これは2002〜2004年まで住んでいた56号室。
その後18号室へマンション内引っ越しをした。

その後、集合写真に写るメンバーは私も含め2008年頃までにほぼ全員が退去。このメンバーの中で唯一残った写真家・岡本明才さんがこの写真に映っている部屋を改装し、「沢田マンションギャラリーroom38」を開設するなどの変化をみている(➡2014年には奈良美智が展覧会を開催)。

沢田マンション

781-0011 高知県高知市薊野北町1-10-3

高知県高知市薊野北町1-10-3

当時のタケムラ自室(18号室)

当時のタケムラ自室(18号室)

芦屋市立美術博物館に沢マンが登場(会期終了)

そんな沢マンの「過去から現在」を知ることのできる展覧会が、この10月まで兵庫の芦屋市立美術博物館で開催されている「マイホーム ユアホーム」だ。
《HOME》を拠点に日々を過ごす人々の物語を見つめ直す、コンセプトとしてはやや哲学的な展覧会。とはいえ、浅田政志のようなスター作家と一緒に「沢田マンション」が並ぶような、「たぶん学芸員が変わっているのだろうな」とふとニヤリ笑いしてしまう、そんな企画展なのである。

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芦屋での展示風景。この裏にも膨大な写真類が。沢マンの大家さんの部屋も復元されている。(撮影:岡本明才)

展示も、変。沢マンの壁や柱を思わせるような巨大なパーティションに、沢マンの暮らしを映す大量の写真、これまでの10年の間にあった様々なイベント、新聞やホームページの記録などが無造作に並べられ、沢マンのほどよいカオスをそのままに感じることができる仕掛けになっている。加賀屋哲郎氏が10年前に渾身の力を込めて制作した沢田マンションの模型も展示されている。

私も、なぜかNHKの雑誌に2008年頃に連載していた「沢マンに、棲む」の元原稿や沢マン新聞、2003-2008年の沢マンの写真、sawaman.comで流されていたライブカメラ画像の一部を提供しているので、お近くの方は是非にご観覧を。

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家賃を払えば貰えるトイレットペーパーと、ライブカメラ画像やホームページのキャプチャなどなど。(撮影:岡本明才)

アートピクニックvol.3 マイホーム ユアホーム
芦屋市立美術博物館

2013年8月31日 ~2013年10月6日
月曜休館(ただし祝日の場合は翌火曜日休館)
http://ashiya-museum.jp/exhibition/exhibition_new/4821.html
【出品作家】
浅田政志、小幡正雄、沢田マンション、田岡和也、伊達伸明、辻勇二、秦野良夫、宮本博史

沢田マンション

関連本

沢田マンションについて知りたい方はこちらも必読。


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