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【現代地方譚3レポート】アーティストの手によって描かれた物語をなぞりながら、私と私の世界を見つめなおす

内子町五十崎、天神産紙工場にみる、大洲和紙の魅力。

2015.11.20 

11月23日奉納。400年の伝統を受け継ぐ土佐最古の神楽「池川神楽」

神楽が3つある町

私の住む、高知県仁淀川町には古くからの歴史や文化がまだまだ色濃く残っています。

秋の神祭は地区ごとに行われ、その中でもお神楽は仁淀川町内に「池川神楽」「安居神楽」「名野川磐門神楽」のなんと3つも!存在します。それぞれに特徴があるのですが、今回は伊勢神宮やカーネギーホールでも奉納されている「池川神楽」をご紹介します。毎年、11月23日(祝)に池川神社で執り行われます。

四天の舞

四天の舞

土佐の三大神楽にして最古の神楽

池川神楽は約400年の歴史があり、津野町の「津野山神楽」いの町本川地区の「本川神楽」と共に土佐の三大神楽で、土佐最古のものとされています。紀元と伝承経路は出雲神楽が四国伊予に渡り、伊予神楽となりさらに池川に伝わり、社職阿部家を中心に継承されてきました。衣装も雅楽の鳥兜を着用するなど近代的に演出された優雅な神楽です。昭和55年に国の重要無形民俗文化財に指定されています。

神楽は全部で約4時間かけて奉納されます

演目は神々を迎える神儀に始まり14通り。約4時間ほどかけて太鼓と鐘の一定のリズムの中で粛々と、時に観客の笑いとともに進んでいきます。「天の岩戸開き」の神話が原点のお話です。

岩戸の舞

岩戸の舞

四天の舞では大蛮(だいばん)と呼ばれる鬼と四天王の掛け合いが一番の見せ場。荒ぶる大蛮は大きな動きででんぐり返ししたり大きな音を立てますが、怖いだけではなくどこかユーモアがあります。その大蛮を説き伏せ和議が成立すると大蛮は子供を抱き上げ、大泣きする子供に場内も盛り上がります。”邪気を払い、健やかに育つように”と子供を連れたお母さんたちの行列ができます。四天の舞は悪魔退治、国土安穏の神楽であります。

大蛮(鬼)に子供が大泣き

大蛮(鬼)に子供が大泣き

みんな大好き餅まき

また最後には餅まきがあり、皆拾ったお持ちを入れる袋持参で「取れた!取れない!」の大騒ぎ。お祭りには欠かせない”餅まき”はテンションが上がります!秋の神祭は各地区で行われます。こういったお祭りは都会ではほとんど見られまなくなりました。お神楽は神事でありつつも、神妙で静かなものだけではなく、観客と一体となって楽しむ行事。土地に根ざしたお祭りは本当に素晴らしい文化です。神様は楽しいことが好きなのですね。今年も11/23(祝)に行われます。土佐の伝統を感じにぜひおでかけ下さい。

池川神楽

11月23日(祝)10時~15時頃
池川神社 高知県吾川郡仁淀川町土居甲907

33.610113, 133.170077


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