これほど美しいとは、想像だにしていなかった。
ごめんなさい、瀬戸川渓谷さま。
高知の紅葉スポットといえば、四万十川支流の黒樽渓谷や物部川上流のべふ峡が有名だが、
瀬戸川渓谷もまた、そのどちらにも負けぬほどの美しさを誇っている。
ドローンと一眼レフで、敬意を込めて美しい映像に仕上げた。
瀬戸川渓谷。
正直言って、撮影に出かける当日の朝まで、その名前を知らなかった。
場所は、四国の水瓶早明浦ダムから遡ること数十キロの、吉野川水系の上流にある土佐町の最深部。
高知市内などから車のナビやGooglemapで道程を検索すると土佐町といの町の境付近の国道439号から県道6号を通るルートが示されるが、これがまた半端じゃないぐらい狭く曲がりくねった悪路。
運転に自信のない方は、途中で泣きたくなること間違いない。従って、ロング&ワインディングロードマニア以外は、早明浦ダムを横目に見ながら大川村を経由するルートがベターだ。
Google先生の指示に従って延々とぐねぐね道を走らせ、もう嫌になったころ・・・・薄暗い針葉樹の森が、徐々に明るく日差しの入る広葉樹の森に変わり始める。
・・・ようやく瀬戸川渓谷にたどり着いた。
路肩に車を停め、急斜面を歩いて下りていくと、いきなり目の前には、なだらかに弧を描くように流れ落ちる瀑が迫る。
「アメガエリの滝」。アメゴが登れずに引き返すという意味があるらしい。
優雅な曲線美に見惚れてしまった。
水は、限りなく透明に近い、というより川底までの距離がつかめなくなるほど、透明だ。
スローでシャッターを切る。
純白の水が線を描く。
滝の周りの山々は、赤や黄に染まる。
まるで楽園のようだ。
飛行機に乗って遠い海外まで行かなくても、四国には楽園がいたるところにあることに気付かされた。
瀬戸川渓谷の紅葉は、いまがピーク。
紅葉狩りに出かける際は、急斜面を降りられる靴が必要。
滝から上流に向けて川沿いに遊歩道があるので、そちらを散策すると吊り橋や苔むした巨岩、谷いっぱいに広がる紅葉などが楽しめる。
飲食店や売店などは近くにないので、お弁当や飲み物を持参することをオススメする。