「穴内」というと、嶺北の人間でもなければふつうは吉野川沿いの土佐穴内駅のあたりを思い浮かべる。それゆえ、嶺北の棚田で「穴内」もいいらしいと聞いた時、この穴内駅のあたりから登る道があるのかなと思い少し調べてみたのだが、・・・見当たらない。
国土地理院地図で見ると土佐穴内駅のすぐ横から「破線」の道が谷間を登っているので、これでも上がれるのだろうけど・・・とりあえずとても状態が悪いのではないかと勝手に推測。
結局、穴内の棚田へ向かうには土佐穴内から●kmほど上流に戻り、高知道の大豊ICと国道32号を結ぶ新高須トンネルを抜けてすぐのところにある橋を渡っていくのがスタンダードのようだ。
さて、国道からは絶対に見えないこの「穴内の棚田」は、ここまで紹介してきた棚田に比べると決して規模は大きくないのだが、急斜面の上にあるためか「天空の棚田」的なイメージがあって、なんだか気持ちが良い。ここまで紹介してきたいずれの棚田よりも開けている印象がある。
地割の形も強い丸みを帯びていて、②の吉延・大石や③の八畝・怒田と比べてもどこか女性的。木々の間に棚田がある or 棚田の間に木々の姿がやや目立つのも穏やかに見える理由かも知れない。
こんな、木々とセットになった棚田風景も意外と珍しいのではないだろうか。
木のすぐ下には作業小屋があり、涼しげだ。
本山町や土佐町の棚田に比べると地味さはあるものの、だからこそ意外といい。
そんな棚田。