風の谷の吉延と大石
本山町市街地から南へ車で約10数分、穴内川ダム方面へと向かう県道267号線沿いにあるのが吉延の棚田。
お米日本一コンテストで最優秀賞を受賞するなど、西の魚沼とまで称されるようになりはじめた「天空の郷米」の産地としても知られる棚田だ。
嶺北の棚田群の中では最も規模が大きく、休耕田もほとんどないように見受けられる。
手前が吉延で、対岸は大石。
その幅は数百メートルで次回紹介予定の怒田や八畝に比べると狭い。
だけど大石や下流側の高角とあわせると棚田が2km以上にわたってずーっと続く。
展望台は2カ所あるが、県道沿いにあるとって怪しげな「傾きかけの小屋」から上がる展望スペースからの眺めがいい。小屋の脇の坂道に怪しげなペンキ書きで「棚田絶景スポット入口」との文字があり、この案内に沿って行くと数分で到達できる。
この「絶景スポット」の路面にもなにやら力のこもったメッセージが刻まれていて、その情熱がこの風景をちょっとだけ台無しにしている感があって悩ましいが・・・緩やかな地すべり地形に合わせて広がる棚田の風景からは、人々の営みと自然との関係がぴたりと寄り添ったようなやさしさを感じる。
ちなみに町側から見て奥の方にある展望スペースには木造の展望台も用意されており、こちらは毎年夏に「棚田アート」が開かれている様子(➡参考記事)。
こちらの写真は大石から北側の吉延、高角方面を望んだところ。
心地良い風が吹き抜け、狭い谷にいっぱいに棚田が広がる。
安っぽい言葉で申し訳ないが「とにかくきれい」と唸るしかないのが、ここ吉延と大石の棚田だ。
これからやってくる夏、そして秋、冬へ向けて、その風景の変化を楽しめるものなら・・・楽しみたい。
ちなみに、ここ大石には滞在型の市民農園である「クラインガルテンもとやま」が設けられており、年間40万円で住宅を、1㎡あたり100円で農地を、それぞれ借り受けることができる。現在10区画中4区画が空いており、この風景を楽しみながら移住or田舎暮らしをしたい人にはオススメだろう。
ちなみに高知へ移住してきた某ブロガーもここを当面の根城にする模様。
※クラインガルテンまでの道は良くないので、雪がしっかり降り出す冬場は当然スタッドレス必須
なお、吉延と大石は目と鼻の先にあるのだが、直接向かうことのできる道は極狭の山道一本だけだ。
運転に自信がない人は、本山町市街地まで戻って大石へ行く道を辿った方が良いだろう。
参考:天空の郷もとやま 棚田ぐるりマップ