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2014.2.7 

梶原希美の四国一見記
第1回
中央卸売市場開放デイ

某月土曜日、午前4時起床。私はメンバーと共に車で高知市中央卸売市場のある弘化台へと向かった。
雨が降る早朝の街は真っ暗で、朝というよりまだ夜の気配が満ちていて静かだ。市場が近づいてくると大きなトラックが増え、にわかに活気を帯びてきた。臨時駐車場に車を停め、警備員さんの案内に従って市場の中に入る。大きな建物の中には街の気配と裏腹に既に朝の空気が立ちこめていて、煌々と輝く灯りの下を人が忙しなく行き交っている。眠気に占領されていた体内が一気に熱を帯びて、今やっと目覚めたような感覚を覚えた。

毎月第一土曜日の午前5時~11時までの6時間、高知市中央卸売市場は市場内を一般の方に開放している。普段は業者さんしか買い物できない市場で、競りを見学したり買い物できるという嬉しい企画。幅広い世代の人に市場に足を運んでもらいたいと、子供から大人まで楽しめるミニイベントも用意されている。

【午前5時半】

カランカランカランと鐘の音が鳴り響き鮮魚の競りが始まった、と言ってもマグロの競りのみなのであっと言う間に終了。競りを見たい方は時間厳守でのお出かけをお勧めする。市場係員さんを発見して話を伺いながら競りを見た後は、隣にある仲卸店舗に移動して魚の解体の様子などを見学させてもらう。さっき競り落とされたばかりのマグロも目の前でどんどん解体されて行く。なんとなく血生臭いイメージがあったけれど気になる臭いは無く、無駄のない包丁さばきと整えられた作業台に清々しさを覚えたくらいである。そして働く人たちからは、バックミュージックに演歌がかかっていそうな海の男・女っぷりをプンプンと感じた。人生は山あり谷ありなんだと背中が人生を語ってる、そんな気がしたのは錯覚だろうか。
鮮魚部仲卸店舗の店先で販売されている魚は購入することも可能だ。少し安めの価格と“マグロの目玉”や“ハランボ”などスーパーではまず目にしない部位も販売している辺りは卸売市場ならではであろう。魚を買う準備もないままに来てしまったことを少し後悔し、次に来る時はクーラーボックスを持ってこようと心に誓った。

【午前6時】

塩干部仲卸店舗の一角に、市場ならではの料理を特価でいただけるコーナーがオープン。“釜揚げちりめん丼”や“牛すじカレー丼”、冷汁やうどんなど目移りするものがあれこれ並ぶメニューの中から、私が注文したのは「芋煮」と「ひものバーベキュー」。海の幸と山の幸がこれでもかと投入された芋煮は絶品であった。旨い旨いと舌鼓を打っていたら、朝の胃袋は芋煮で早くも満杯気味。数日前から「ひものバーベキュー」のことで頭が一杯だったのに、結局2匹くらいしか食べれなかった悲しさったらなかった。胃袋を鍛えることは今後の課題として、ひとまず七輪で干物を焼けたので良しとしておこう。飲食コーナーは時間が経つごとに賑わいを増し、家族連れも多くなった。市場で食べる朝ごはんの美味しさは、楽しさも加わって格別なのである。
taberu

【午前7時】

青果の競りスタート(商品の量にもよるが9時頃まで開催されている)。様々な野菜や果物がコーナーごとに何らかの規則をもって並べられている。「新高梨」「トマト」など次に何の競りが開催されるかの場内アナウンスが流れてから、あちこちで競りが始まっていく。同じ時間帯に二つの競りが行われていたりすると、両方の商品を取扱っている業者さんは競りと競りを走って移動しては状況を確認し、競り落としていくという凄技を発揮していた。
競りを進めている人は基本的に3人で、競りごとにその担当者は変わる。「セリ人」と呼ばれる人が威勢の良い声で取り仕切り、誰がいくらで購入したかを記帳している人が傍らで黙々と書き、青果の間を「えい栗じゃ~」とか言いながら勧めてる人がいる。セリ人は声を出すリズムの取り方が、その人ごとに違っていて大変興味深かった。
値段のかけ引きは全て手のサインで行われる。業者さんのサインは、「え?今サイン出しました?」ってくらいさりげない(ように見える)ものもあり、それをちゃんと見てるセリ人は凄いとしか言いようがない。鈍感極まりない私には、もはや超人技にしか見えなかった。結果、いったい誰がいくらで競り落としたのかを私は一度も理解することは出来なかったのである。
seikaseri

【午前8時】

青果の競りを後にし、青果部仲卸店舗の一角に設けられた「土物(つちもの)詰め放題」コーナーへ。代金を支払うとビニール袋が与えられ、ジャガイモ、人参、玉ねぎが詰め放題なのだ。ジャガイモや玉ねぎの丸々した土物は下の方に詰めて人参を隙間という隙間に詰めていく、というか刺していくと良いようだ。袋から野菜が飛び出ていても一体化してればOK。近くにいたおばさまは慣れた様子で土物タワーを完成させていた。ちょっとした競技のようなワクワク感とお得感をたっぷり味わって市場を後にした。
外に出ると雨は上がり、街の朝はまだ始まったばかりなのであった。
tsumehoudai

高知市中央卸売市場

高知市弘化台12-12

「中央卸売市場開放デイ」に関しては下記アドレスで日程や内容をご確認の上お出掛け下さい。
http://www.city.kochi.kochi.jp/soshiki/106/

33.544721,133.565273


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