いつ頃からだろうか?ひょんなことから「鮎の干物」の存在を知り、そして興味を持ち、いざ食べてみたらあまりの美味しさに感動して、それ以来非常に鮎の干物がボクの大好物となりました。なかでも海部郡海陽町の宍喰の山奥で、鮎の干物を作っていらっしゃる「蔭田商店」さんが作っている鮎の干物がボクは大好きなので、作っているところなんかをちょっと見たいな〜と思い、連絡したら「今日は午後からやるけん」と言うのでサクッとお邪魔してきましたのでここにご紹介。
30年鮎の干物を作り続けている蔭田さん
「鮎って干物にするものなんだ!」と驚いたのはもうかれこれ半年以上にもなります。ボクはもともと愛知県出身で、愛知県と言っても限りなく岐阜県に近い愛知県。鮎釣り師の間ではかなり有名な長良川が流れておりまして、非常に鮎釣りが一般的な地域であると言うことが出来ます。なので鮎や鮎料理についてはボク自身結構馴染みがあったりするのですが、鮎の干物はこちら徳島県に移住してから初めて存在を知りました。
道の駅やスーパーに普通に売っていたりするから「え!鮎って干物にするんだ!」とビックリしましたが、今では大好物となっておりますので、「よし!今日は鮎の干物でも食べるか!」というレベルになりました。
今回紹介したいのは鮎の干物を30年も作り続けておられる海部郡海陽町宍喰の山奥に位置する久尾という集落で商店を営みながら干物作りをしておられる蔭田さん。ボクはこの蔭田さんが作る干物が非常に好きでなのです。
こちらが蔭田さん。なんちゅーキレーな目をしとるんや。訪れた時にはすでに作業を始めておりました。
こんな作業場で黙々と作業しつつも、ボクが質問するとめちゃくちゃ親切に色々とお話くださいました。
この商店を始めたのは約40年前やけんな〜。鮎の干物を始めたのは30年くらい前と違うか。前は海のもんを干物にしよったんやけんどな。折角山にすんどんなら鮎を干物にしてもええん違うか思うてな。それで始めたんよ。
と、今でも海の魚を干物(カマスやアジやサバなど数多く獲れる魚)にしていたりもしますが、鮎の干物の方が作っている数は多いそうです。
ご覧のとおりすごい数の鮎を捌いております。
今でも500件ぐらい取引があるけんな。
なんと!そんなにも取引があるんですね!すごい!近くのスーパーや商店だけに卸されているだけかとばかり思ってました。美味しいからやはり知っている人は知っているんでしょうねこの美味さを。
昔はここ(海部郡)から大阪に出よったやろ。ほんやで大阪との取引が多かったりするわな。多分昔食べて懐かしがって注文するんやろな〜。
今まで一体どれだけの鮎を捌いてきたのか全く想像がつきませんが、流石のスピードに「この人プロや!」と思わずにはいられません。
そしてこのナイフ。買った時は柄ほど刃渡りがあったそうですが、今では研いで研いで研いだ結果、ここまで短くなったそうです。
丁寧さにこそ美味さの秘訣がある気がする…
綺麗な鮎たち。昔は目の前の川でたくさん採れたそうですが、今ではすっかり採れなくなったので、徳島市の方から仕入れているとのこと。
工程はなんてことない。捌いて内臓とって綺麗にしてたて塩して乾燥させて完成です。でもなぜか非常に美味しいのです。
蔭田さんは非常に丁寧な仕事をします。捌いた鮎は一枚一枚必ず丁寧に並べていきます。ボクはここに美味しさの秘訣があるんだなと思わずにはいられませんでしたね。
気さくな蔭田さん
わしの左手なんでこんなんになっとるか知っとるか?17歳の時にな、山に栗の木切りに行ったら間違えて腕切ってしまったんよ。あれ!手がない!と思ったら下にぶら下がってとってな!ワッハッハ!それ以来指が動かんのよ。でも最近いとうてな。神経が今になってつながってきとんやろな。
実は蔭田さん、左手に大きなキズがあって、そのせいで指の自由が効かないのです。でもいきなり訪れたボクに笑いながらそう言って話してくれることがなんだか非常に嬉しかったです。
そしてこれが完成した鮎の干物。前日の乾燥させていたもののようです。
こちらは蔭田さんの奥さんが丁寧に箱に詰めていきます。
こちらは小売り用。
ボクはお土産用に出来上がったものを3パック購入しました。これがホント美味いんです。
戦争中に建てられた建物だそうで、元々建材屋さんだったとか。そこを改装して商店にしたのだそうです。ここまで来たら時期にもよりますが、美味しい鮎の干物を購入出来ますよー。また気さくな蔭田さんにもお会い出来ますよー。
蔭田商店
電話番号:0884-76-3577
しかし、ここまで来るのはきっと大変なので、海陽町のピアにも置いていたりします。是非お試しあれ!
蔭田さん、「ひなた八郎」として実は歌手もやっていたり
そうそう蔭田さん実は歌が趣味でCDも出していたりするんです。芸名はひなた八郎。蔭田の反対で(笑)。
これはわしの一番の楽しみなんよ。
後ろに見えるのはステージ。ここで人を集めてカラオケ会をしているみたいです。めちゃめちゃ面白い。
そしてこれがCD。完全自主制作です。きちんとパッケージ化されておりこちらも仕事が丁寧です。ボクが「ある人が仕事に疲れた時に蔭田さんのCD聴いて癒やされてるみたいですよ」とお話したら、欲しいやつおったらあげたってとCD三枚頂きました。
というわけで、ぜひぜひ鮎の干物をお試しあれー!