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吉田拓丸

2015.4.20 

《高知》自然と上手くつきあう「しごと」。黒潮町の二代目塩守、吉田拓丸さんの天日塩。

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大地、太陽、海、風・・・。
高知県幡多郡黒潮町には、自然と上手くつきあいながら暮らす人びとの営みがあります。
そして、その営みの一つひとつが、この黒潮町というまちの風景をつくっているのです。

さて、今からそんな営みの一つをご紹介するわけですが、みなさんは天日塩をご存じでしょうか。
天日塩とは、火力を一切用いず、風力と太陽熱という自然のエネルギーによって水分を蒸発させてつくる塩のことをいいます。

現在ここ黒潮町には、佐賀地区を中心に5つの製塩所があるのですが、
今回はその製塩所の中の一つ、今年で27年目を迎える『有限会社ソルティーブ』の2代目塩守、
吉田拓丸さんをご紹介します。

天日塩づくりは、人と海の循環のお手伝い

吉田さんが3歳だった1986年、塩を作るという両親に連れられて大阪から黒潮町佐賀(旧佐賀町)にやってきました。塩をつくる両親の姿をみながら、海や山、川で名一杯遊んでいた吉田さん。ある時、自分も大きくなったら塩をつくるぞ、と思わせた出来事が起こります。それは夏の海でのこと、いつものように遊んでいた自分の腕に、ふと、白い粒が浮きあがっていることに気づきます。

「思わず一口なめてみると、なぜか心地よい味がしたんです。
 両親はこれをつくっているんだ、いい仕事だなと、こども心に思いました」

ソルティーブの天日塩

その後、一度は京都の大学に進学するも夢は消えず、卒業後しばらくたった2009年に帰郷し本格的な修業に入ります。続けて吉田さんは目を輝かせながら次のように話してくれました。

「生物は海から生まれ、人間を含め、生物が陸上に適応してからも海に住んでいた頃の記憶を宿して生きています。人間の体液や、お母さんの羊水は、古代の海水の成分と酷似しています。人間は海を体の中に抱えながら生きている、だから塩は人間にとってはないと生きてはいけないものなのです。そして、地球上の全てのものは、長い時間をかけ、やがて最終的に海に還っていきます。塩をつくることで、その循環のお手伝いができると思うと、ロマンを感じます」と。

その吉田さん家族がつくる天日塩の名は「土佐の塩丸」。“循環”や“調和”を意味する「丸」という字を充て、塩というかたちで土佐の海をまるごと味わってもらいたいという意味とともに、そう名付けられたそうです。

太陽と風の力だけで製塩

太陽と風の力だけでたっぷりと時間をかけてつくる天日塩は、火力で急速に結晶成長させた塩とは違い、海水中のさまざまなミネラルが抜け落ちることなく結晶に抱え込まれます。また、加熱により微量成分が分離結晶してしまえば、塩化ナトリウム比率の高い塩、つまり辛みの強い塩となってしまいますが、一方、天日塩には豊富なミネラルが含まれているため、まろやかな味わいで、後に旨みが広がります。

それでは早速、吉田さんの天日塩ができるまでの製塩行程を見てみましょう。

PM2.5や黄砂などの飛来物質を極力さけるためにこの形状を採用。黒潮町ではここだけ

PM2.5や黄砂などの飛来物質を極力さけるためにこの形状を採用。黒潮町ではここだけ

まずは、新鮮な海水がどんどん押し寄せる満潮時の清浄な表層水をくみ上げ、それを、ハウス内に張ったすだれ状のものに通しながら風と太陽の力で適度な濃度になるまで繰り返し、塩の素「かん水(濃い海水)」をつくります。

夏場には50度を超えることもあるハウス内。その中でも毎日、108箱の塩と向き合う

夏場には50度を超えることもあるハウス内。その中でも毎日、108箱の塩と向き合う

次に、先ほどの「かん水」をろ過し、結晶ハウスの棚に移して、太陽熱で結晶になるまで、夏は1~2週間、冬は1ヵ月~2ヵ月もかけてかくはん作業を続けます。すると、とろりと濃い水分が徐々に乾燥して固まり、白い結晶が生まれるのです。

海は地球のスープ

「塩のふるさとである海は、すべてのミネラルが土に染み入り、川を流れて溶け込んだ、言わば地球のスープです」と、ハウスの向こうに広がる土佐の海を前に、吉田さんは言います。
このバランスよく溶け込んだミネラルを、時間をかけて、丁寧に一粒一粒の結晶の中に閉じ込めた吉田さんの天日塩「土佐の塩丸」は、きめが細かく、口の中に入れるとフワッと溶ける食感が特徴。塩辛さに甘味や苦味が混ざった自然本来のうま味を、ぜひ一度食べてみてはいかがだろうか。

有限会社ソルティーブ

高知県幡多郡黒潮町灘333
☎0880-55-3226

高知県幡多郡黒潮町灘333


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