須崎市といえば「魚の町」とイメージされる方も多いと思いますが、実は持ち帰りの焼き鳥屋があちらこちらに点在しています。
お店によって味は様々で、あそこのお店はこんな味、といった情報交換ができるほどです。
こんな風に須崎市で焼き鳥屋が好まれているのは、農家や漁師など自営業の方や共働きの方、同居されている方が多いことが影響しているように感じます。手軽に食べられておいしい、おかずにもつまみにもなる、どの年代の人も好き、といったファーストフードのような感覚に近いのかもしれません。
そんな数ある焼き鳥屋の中でも、特に人気のお店が『焼き鳥 鳥よし』です。
『鳥よし』を営むのは、須崎市でも有名な仲良しご夫婦。
元々は本業のカメラ屋の店舗の片隅で始めた焼鳥屋でしたが、その味が評判となり本業よりも人気になったため、本格的に販売を始めて今に至ります。
人気の理由は「丹念なこだわり」と「きめ細やかな心遣い」
焼き鳥に使用しているのは新鮮な国産生鶏。
毎朝、生鶏が傷まないように手早く、かつ丁寧に一本一本、手作業で刺しています。
ねぎま や たまねぎま(玉ねぎともも肉の串)に使うお野菜は、奥様が信頼している契約農家さんから仕入れていて、ねぎまのネギは全国のネギの品評会で優勝の実績を持つ、土佐市のネギ農家さんのものです。
素材のおいしさをさらに引き出しているのが焼き方です。
保温性の高い土佐備長炭を使用し、その日の天気などを見ながら微妙な火加減を行い、じっくりと焼き上げます。炭火で焼かれたお肉は、柔らかく歯応えのある食感になり、臭みがなく旨みがギュッと凝縮された味わいに。
そして、焼き鳥の重要なポイントである「タレ」にもおいしさの秘密が。
タレは毎日手づくり。気温や湿度に配慮しながら、分量を細かく調整しているそうです。
出来上がったタレは、どんどん継ぎ足していきながら、焼き鳥の旨みが加わって段々とまろやかでコクのある味へ変化していくそうです。
あまりお上品ではありませんが、このタレをご飯にかけると絶品なんです。
奥様によると、ご飯のうえに千切りキャベツ、その上に焼き鳥(モモ肉やたまねぎまが良いとのこと)をしいてタレをかけて食べるのがオススメだとか。
この奥様はとても魅力的な方で、わざわざ奥様に会うために焼き鳥を買いに来る方も多いそう。
暑いときも寒いときもニコニコ笑顔と楽しいお話しの接客で出迎えてくれるので、お店を後にする頃には元気になっています。
焼き鳥のおいしさももちろんですが、「良いものを提供したい、お客様に喜んでもらいたい」という思いから生まれる心遣いもお店の人気を支えています。