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出演者急募!11月1日は四国最東端の音楽祭「ゆるおん」へ

【現代地方譚3/アーティスト・イン・レジデンス須崎】展示期間中プログラム『ちょこぶら』アートと町並み、グルメ、歴史・文化を楽しむ町歩き

2015.10.26 

椿泊のだらだら祭りは神輿が船に乗る

阿波水軍の祭りは通称「だらだら祭り」

私の生まれ育った町、徳島県阿南市椿泊町。
地図では四国最東端部分にワニの口のように見える2つの岬に囲まれたところが椿泊湾で、湾に面して北側の岬に沿ってあるのが椿泊町。対岸は四国最東端の蒲生田岬になります。

椿泊湾を挟んで、手前が椿泊、向こうが蒲生田岬

椿泊湾を挟んで、手前が椿泊、向こうが蒲生田岬

椿泊はその昔、阿波水軍・森甚五兵衛(もりじんごべい)が統治して栄えた漁師町で、今もこの漁港の水揚げ高は県下一
ここの秋祭りは正式名称「佐田神社秋期例大祭」で、阿波水軍の長・森家の功績を讃え、豊漁を祈願するもの。漁師たちが神輿を担いで、狭い道をだんじりや「うま」と呼ばれる馬型の山車と一緒に練り歩く勇壮な水軍のお祭りです。

この祭りの通称は「だらだら祭り」。昔は祭りの期間が決まっていなくて、1ヶ月近くだらだらと祭りが続いた逸話があるからです。「神輿が佐田神社の上の宮に戻るまでが祭り」なのですが、神輿は神様の気分次第で動くので、祭りの期間が決められなかったんですね。だから逆に1日で終わってしまった事もあるそうな(笑)。

佐田神社からの風景

佐田神社からの風景

最近では祭りの期間は3日間で、通常9月中旬の週末(土・日・月)に行われてることが決まっているので、今の「だらだら祭り」は、だらだらしてませんよ(笑)。

今年は9月12日(土)〜14日(月)に行われました。
この祭りの2日目は「岬祭り」と呼ばれ、神輿が船に乗って椿泊湾をぐるっと廻り、それに多くの漁船がお供して漁船団のパレードが見られるので一番オススメの日なんですよ。

私は今年は3日間全部参加しましたが、主に「岬祭りの日」をお伝えします。

日本一狭い道の町を神輿がゆく

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神輿が佐田神社から下りて来て、祭りのはじまりはじまり。
清めの水が手荒く掛けられます。(近づき過ぎ注意!)

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椿泊の趣のある町並みを「ちょうさ、ちょうさ」と神輿が練り歩きます。
ここの道はめっちゃ狭いので、「日本一狭い道の町」と私が勝手に命名してます。
GoogleMapのストリートビューカーがこんなところにも撮影に来てくれたようですが、椿泊のメインストリートの半分も行かずに引き返してるんですよ(笑)。
祭りでは、神輿やだんじりがぶつかって屋根や樋が壊れる事もしばしば。

神輿が船に乗る

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岬祭りの日は町の東、岬の先っちょの突堤から神輿が船に乗るんです。

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船に乗るのは神輿とその先導役の「うま」。
「うま」はその昔、森家の馬が神輿を先導していたことの名残だそうです。

神輿の船は岬神社へ

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出航! 椿泊湾の開けた東方向へ。

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神輿が乗った船に、だんじりの飾りと鳴り物を船に乗せた「ふなだんじり」や他の漁船がお供します。

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行き先は椿泊湾の対岸・蒲生田岬の岬神社の見える場所。
ここで、佐田神社の神主が岬神社に大漁と海上安全を祈祷します。
(岬神社については私が以前に書いたこちらの記事をどうぞ →蒲生田岬に新しい絶景が生まれた話)

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今度は椿泊湾を引き返して、町の西の端「椿泊町大深原」へ向かいます。

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漁船団をひきつれて。

神輿は気まぐれ 海にも入る

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船を下りた神輿は、いきなり海へ。
神様は気まぐれなので、1日何度海に入るかはわかりませんよ(笑)。

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各地で休憩する祭りの一団。先頭からだんじり2つ、馬、神輿。
ここ小吹川原では道沿いの堤防にみんなが座って休みます。

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だんじりに乗っているのは地元の小学生。鳴り物を担当する祭りの主役です。

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休憩の度に、酒を飲んで唄を歌う。

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どこで休んでも海(椿泊湾)がすぐそこに。

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青い装束と木の烏帽子を付けた「本方(ほんかた)」。昔は水軍の侍が担ってたそうです。
本方は5人で神輿の要所(先頭と四方)を担います。

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町の東の端まで戻って、神輿はまた海へ。

何時に終わるかわからない

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海と神輿と馬。
暴れては休む神輿。
祭りが何時に終わるのかはわかりません(笑)。

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日暮れに神輿がゆく。
右手は阿波水軍森家の居城「松鶴城」の石垣。
その石垣の上は私の母校・椿泊小学校!

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気まぐれな神輿が佐田神社の下の宮に入るまで祭りは終わりません。
この日は19:00くらいだったかな。

祭りのあと

土日と続いた祭りは賑やかでしたが、最終日の月曜日は人も少なくて静かに終わりました。
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3日間の祭りの後、氏子の配られる榊(祭りで神輿などを飾ってた)と白い布。
白い布は、神輿に掛けられている「たすき」と、神輿の胴体部分に巻いている「はらまき」を切り分けたもの。
各地区の当家にこれらが渡されて、さらにこれを切り分けて各家庭の神棚に飾ります。

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氏子に配られるお札。
船の数だけあって、今年は約200枚とのことでした。

この祭りを この町を 未来に繋げたい

椿泊はものすごい勢いで人が減ってる過疎地です。
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祭りの主役、だんじりで鳴り物を叩く椿泊小学校の全児童は9名。がんばれ子供たち!
小学校の全児童は私が通っていた35年前は120人くらいでしたが、10分の1以下になっています。
だんじりも昔3つあったのが2つになりました。
今は2つのだんじりを維持するのも大変になってきていて、神輿も担ぎ手を確保するのに苦労しています。

祭りはもちろん、町の活性化をみんなで取り組まないと、町自体の存続の危機です。
私自身、現在はこの町に住んでいませんが、どうにか少しでも役に立ちたいと思っています。
(私の両親は椿泊の住んでいるので、週末によく漁の手伝いなどに帰っています)
この町に住んでいる人はもちろん、住んでなくてもできることがあるかと思います。
みなさんもよかったらご協力をお願いします。

椿泊出身の人は、まずはお祭りの時期だけでも帰って来て一緒に盛り上げて下さいね。
ではまた来年! よろしくお願いします。

佐田神社

徳島県阿南市椿泊町東85番

今回のお祭りの動画をまとめたYouTubeページ
https://www.youtube.com/playlist?list=PLlZz-d2zFoE1gj09B102quejXJTl9GBGT

私が椿地区の情報を発信している「椿アグレッシ部」Facebookページ
https://www.facebook.com/TSUBAKIaggressiBU


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