毎年つくる、極彩の紙飾り「サイハラ」
秋葉まつりで使われる華やかな色彩のほとんどは色紙でできています。
たとえば子どもたちの踊り棒の房や太鼓のバチの房、鼻高(天狗面)や悪魔(鬼面)の持っているサイハラという竹の棒の飾り、柳と呼ばれる竹ひごに色とりどりの花がついているその花の部分などです。

祭りの一切を取り仕切る鼻高。手に持っているのがサイハラ。
紙ですから、一日使うとほとんどがボロボロになります。
なので、毎年いちから作り直すことになります。サイハラや踊り棒は本体自体も新しい竹を切り出してきてつくります。
昔は和紙を染めるところから始まり、包丁を何度も研ぎ直しながら切ったそうですが、今は市販の色紙をカッターで切ってつくります。ほとんどが農家だった昔は冬の農閑期の間の楽しみのひとつでもあったかもしれません。
3つの奉納組ではそれぞれやり方が違い、年末から役割分担をして紙も持ち帰り、各自家で文字通り夜なべをして切ってくるところもあれば、祭り前の休日を利用して女性も総動員で一日に一気に仕上げてしまうところもあります。
昔よりは便利な材料や道具が増えたとは言え、ひとつひとつ手作業でつくられていることに変わりはありません。祭りの1週間から10日ほど前に各組で集まって仕上げます。その日のことを沢渡組・本村組では「切り飾り」、霧之窪組では「はりもの」と呼んでいます。
私たち一般の見物客が手に入れることができるのは、サイハラをミニチュアにした「ミニサイハラ」と踊り子(子ども)が持っている「踊り棒」です。どちらも防火のお守りです。ミニサイハラは油売りという役の人から買うことができます。油売りは奇声を上げながらやってくるのですぐわかります。踊り棒は刀傷がついたものに御利益があると言われ、踊り子の周りにいる紋付き袴の男性にお願いすると売ってもらえます。

本村組の油売り。竹カゴに目一杯のミニサイハラを入れ、甲高い声で売り回る Photo:Naoya Takemura

最後の秋葉神社では3集落の油売りが揃い踏みで見る者を楽しませる
秋葉祭り
毎年2月11日開催
岩屋神社:9時~9時30分頃
市 川 家:9時40分~10時30分頃
法 泉 寺:11時30分~1時頃
中 越 家:1時30分~2時頃
秋葉神社:2時30分~3時30分
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