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2014.11.26 

「馬鹿でいいのだ」沢マンで奈良美智展

高知が世界に誇るセルフビルド建造物の雄「沢田マンション」。
そのマンションの小さな一室で、ニューヨーク近代美術館にも所蔵される世界的な美術家の展覧会が開かれた。
会期中の3日間、来場者の行列は途絶えず、普段静かなマンションは人で溢れかえった。

わずか35平方メートルの空間に訪れた人は、なんと2000人にも達した。
展覧会は「3日間の奈良美智・ドローイングショウ」。

奈良横長1

                                奈良横長2

そう、あの奈良美智さんだ。目の釣り上がったような女の子の絵を観たことのない人は、いないだろう。米国や欧州での高い評価とともに、金沢21世紀美術館や横浜美術館など有数の美術館で展覧会を開く 国内で最も著名な美術家の一人だ。

沢田マンションは、建築のプロでもない夫婦が1971年からこつこつと建てた地下1階地上5階のコンクリート建造物で、高齢世帯から若手作家まで、さまざまな住民が暮らす集合住宅だ。屋上にクレーンが乗っていたり、池があったり、菜園があったり、増築に増築を重ねた複雑怪奇な構造は異空間そのもの。

「ここはまさにアナーキー。ぜひともここで展覧会を開きたかった。建造物を作りたいという衝動には畏敬の念を抱く」と奈良さんは、6日に開いた会見で、展覧会を開く理由を語った。

今回展示したのは、段ボールに色鉛筆で描いた作品を中心に30点。その半数は、額装もされず、長辺5メートルほどの白塗りの壁にそのまま貼り付けてあった。来場者と作品との距離は数十センチ。 まるで無名の若手作家の作品展と見間違うほどだった。

このギャラリーは、写真家で住民の岡本明才さん(43)を中心に10数人の若手のアーティストたちが自主運営をする「沢田マンションギャラリーroom38」。写真、立体、絵画などさまざまな分野の作家たちが、実験的な展示を続けている。

奈良さんは「まるで20代のころに戻ったようだ。大きな箱とは違う魅力がある。3日間だけここの住民になった気分がする」と話す。

期間中、人が途絶えることはなく、入場待ちの長蛇の列が出来ていた。

行列提供

写真提供:沢田マンションギャラリーroom38


奈良さんは展覧会終了後、自身のブログ「奈良美智の日々
で、 こう書いている。

 NEVER FORGET YOUR BEGINNER’S SPIRIT !

つうか、馬鹿でいいのだ。馬鹿になんなきゃ、いかんのだ!

奈良ななめ

ギャラリーを運営するアーティストたちに、これほど、大きな力と勇気を与える言葉があるだろうか?
room38では、これからも続々と展覧会を開き続ける予定だ。馬鹿であり続けるroom38に、ぜひ足を運んでみてほしい。

沢田マンションギャラリーroom38
〒 781-0011 高知市薊野北町1-10-3沢田マンション1F 38号室

http://sawaman-room38.com/

高知市薊野北町1-10-3沢田マンション


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