塩田千春さんは、無数の糸を空間に張り巡らしたインスタレーションや、赤い液体が循環する無数のチューブがドレスにまとわりつくインスタレーションなどで知られる現代美術作家。四国の人間にとっては大規模なインスタレーションで観る者の度肝を抜いた丸亀市猪熊弦一郎現代美術館の展覧会(写真参照/2012年)、2010年の瀬戸内国際芸術祭での「遠い記憶」も記憶に新しいが、今年は高知県立美術館で7月7日から開催される「塩田千春ーありがとうの手紙」で新作を含む塩田さんの世界に触れることができる。
さて、本展では展覧会の表題ともなっている「ありがとうの手紙」を募集している。B5からA4サイズまでの大きさであれば誰に向けた手紙であってもOK。ただ、「ありがとう」の気持ちさえこもっている手紙であれば良いとのこと。集められた手紙は塩田さんの作品を特徴付ける無数の紐で結びつけられ、「おそらくは塩田さんにとって過去最大規模の規模のインスタレーション(企画された高知県立美術館松本学芸員談)」となって展示される。展示終了後は塩田さんの作品の一つとして、いずれは世界各地で展示されていく可能性があるとのことだ。
塩田さんは両親が高知県出身で、幼い頃にたびたび過ごした高知の夏の記憶が作品制作の発露となっているともいう。この展覧会では、「ありがとうの手紙」を軸に、塩田さんの制作の原点である高知の風土や歴史にこだわった新作を発表する予定だ。
塩田千春展ーありがとうの手紙
高知県立美術館
2013年7月7日(日)~9月23日(月祝)開催
塩田千春さんの公式サイト>>>http://www.chiharu-shiota.com/ja