「現代地方譚2」の中で最も展示作品が多いのが、「まちかどギャラリー」。
「まちかどギャラリー」は江戸時代末期から戦前まで続いた有力商家である三浦家の母屋と事務所とがひと続きになった建物で、大正5年(1916年)に建造されたと言われています。建物の奥の部分は明治時代に、キッチン(カフェ)の部分は昭和時代に建てられ、今回の改修が加わったことにより、大正から平成の建物が混在する貴重な場所となっています。
まちかどギャラリーの展示作家は7名。
画家、彫刻家、写真家といった様々なジャンルの作家の作品を見ることができます。
7名の作家が見つめた「須崎」
竹川宣彰さんの作品です。
竹川さんは第1回目の現代地方譚に続いて2度目の参加となります。
今回はドラァグクイーンのパフォーマンスを行いながら、作品制作をしていたのですが、その背景にはこんな理由がありました。
第1回目の滞在のときに須崎市の女性たちと交流をし、その元気さや明るさを体感しました。
高知県の女性の代名詞でよく使われる「はちきん」は、男勝りでパワフルなことが特徴です。
しかし、今の世の中は彼女たちのパワーを本当に生かせるのだろうか、本当のはちきんとは何か、という疑問を持ち、町に異物を持ち込みたいと発想したそうです。
実際にドラァグクイーンの方に弟子入りをし、メイクの仕方などを学び、衣装もドラァグクイーンの方から譲り受けたものを使用していました。
“ノブコ”として滞在した2週間の記録が、静かに、でも熱を持ちながら、まちかどギャラリーの中でその存在を放っています。
変身中の動画はこちらから
入口すぐに見える木の作品は松村有輝さんの作品です。
ちょうど松村さんが制作を始めた頃、まちかどギャラリーはまだ工事中でした。
これが松村さんの作品に大きな影響を与えています。
まちかどギャラリーの建物内の木と異なる素材の木目シールを使用し、様々な形のものを組み合わせることで、この建物の歴史とこれからを表現しているようにも思えます。
また、すぐそばにある橙色の作品は事故車をモチーフにして制作したそうです。
傍でじっと見つめてみると、大きさや凹み加減、これらがひとつずつ微妙に違っていることが分かります。
松村さんによると、大きさが異なるものをもっと作ってみたかったそうです。
そして、蔵の方に移動をすると、第1回目と同じく小西紀行さんの作品が飾られています。
前回は須崎市の民話や階段などを中心に絵を描かれていましたが、今回のモチーフは須崎市の人々です。
小西さんの目線で受け取った人々の姿は、何かを訴えかけているようにも感じられます。
もしかしたら、心の裏側をえぐられているのかもしれない、といった感覚になるのは、こじんまりとした蔵の中でひたむきに絵を描いていた小西さんが見つめていたものが今、形を変えて私たちの前に現れているからなのかもしれません。
展示期間
11月3日(月)まで。
時間は9:00~17:00。
問合せは、すさきまちかどギャラリー(050-8803-8668)へ。
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